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【安田記念】皐月賞馬ロゴタイプが復活V 通算3度目のG1制覇

スポニチアネックス 6月5日(日)15時47分配信


「第66回安田記念」(G1、芝・1600メートル・晴・良)は5日、東京競馬場11Rで行われ、田辺騎手騎乗の8番人気、ロゴタイプ(牡6=田中剛厩舎、父ローエングリン、母ステレオタイプ)が逃げ切ってV。勝ち時計は1分33秒0。

ロゴタイプはスタート後、ハナを切って先行。1番人気のモーリスが2番手を追走し、2番人気のリアルスティールが3番手を追走した。

 ロゴタイプが先頭で3、4コーナーを通過。モーリス、リアルスティール、イスラボニータ、フィエロらがじりじりと差を詰めてレースは直線へと入った。

 直線に入ってもロゴタイプは先頭を死守。外からモーリス、フィエロが伸ばしたが、その差はなかなか縮まらなかった。最内で粘ったロゴタイプはそのまま押し切って1着でゴール。見事な逃げ切り勝ちで13年の皐月賞以来、通算3度目のG1制覇を果たした。


1着ロゴタイプ・田辺騎手「ハナへ行くのは作戦通り。先生からも思い切って乗るように言われていたし、強い馬に勝つにはこの戦法だと思ってちゅうちょはなかった。道中も絡んでくる馬がいなかったので理想のレースができた。今回は最後まで自分のリズムで行けましたね」

 2着モーリス・Tベリー騎手「ペースが遅かったし、前に馬を置くことができなかったので、折り合いを欠いてしまった。それでも最後までよく頑張っているのだが」

 3着フィエロ・内田博騎手「我慢したほうがいい馬だと思っていたが、先行した馬が思ったより外を回ったので、さらにその外を回らされてしまった。最後はいい脚を使ったんだが」

 4着サトノアラジン・川田騎手「これだけ流れが遅くては…。よく伸びているんですが、他の馬も伸びていますし、進路も開きませんでした。もっと速いペースになってほしかったですね」

 5着イスラボニータ・蛯名騎手「ペースが遅かったので早めに行ったが、手ごたえほど伸びなかった。決して止まったわけではないが、馬群が外へ開く形になり、馬の闘争心も湧かなかった」

 6着ディサイファ・武豊騎手「思い通りのいいレースができた。スタートが決まっていい位置が取れたし、マイルも問題ない」

 7着ダノンシャーク・大久保調教師「この馬もジョッキーもベストを尽くしたが、ペースが遅くて後ろの馬にはきつかったね」

 8着クラレント・小牧太騎手「ゲートはうまく出たが、他の馬が速くて、思ったより前に行けなかった」

 9着ロサギガンティア・Mデムーロ騎手「ゲートは遅かったが、マイルはギリギリなので、最初からじっくりと乗るつもりだった。最後の直線は馬場がこたえたのか、内にモタれていた」

 10着レッドアリオン・川須騎手「大外枠だったし、内の馬が速かったので後ろから。展開が向かなかったけど、この馬自身は最後までしっかり走っている」

 11着リアルスティール・福永騎手「流れは遅くなると思ったが、予想以上にスロー。その分、馬を落ち着かせるまでに時間がかかってしまった。3コーナーからはスムーズだったが、直線はモーリスに並びかける前に失速。前半のロスがこたえたようだ」

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敗因分析のバイブル~競馬をやって何が悪い。より



2016 安田記念(GI) 東京芝1600m稍
モーリスの敗因分析

1:33.0 12.3 - 11.0 - 11.7 - 12.0 - 12.1 - 11.3 - 10.9 - 11.7
47.0-46.0S


 昨年の安田記念から香港GI2勝を含めGI4連勝、圧倒的な一番人気でここに臨んだモーリスだったが2着を死守するのがやっとだった。敗因を分析していく。


 2着モーリスは8番枠から五分のスタートを切ってじわっと先行策、昨年同様強気の競馬だが最序盤はちょっとかかっているような感じになって持って行かれながら番手と言うのはちょっと誤算だったかもというところ。道中もそこまで速い流れではなくモーリスが終始掛かりながら前に行って後続の目標にもろになるという形で3角に入る。3~4角でゆるい流れにロゴタイプが持ち込むがこちらもなかなかブレーキを外せずに我慢しながら仕掛けを待って直線に入る。序盤で追い出されてそれなりには伸びるのだが自分のタイミングで動いたロゴタイプにあっさりと出し抜かれてしまう。L1はそれなりに伸びてはいたがそれでもフィエロに決定的な差し込みを許すなど、この馬のパフォーマンスは出せずに辛くも2着を死守。取りこぼしたというよりは完敗の2着だった。


 まあ、このモーリスも敗因を一つだけ挙げる、と言うよりは複合的な面が多いとは思う。ただ、敢えて今回のレースの流れの中だけで言うなら掛かってしまったことで生じた騎手のメンタルと、田辺の戦略にまんまと嵌ってしまった、という側面はあるね。まず番手は取れたけど意図的にとったわけではなく、恐らくロゴタイプをライバルとは見ていなかっただろうから、仕掛けの意識は遅らせてくる形になるだろうと。そしてそれを読み取った田辺が3~4角で結構明確に12.0-12.1と緩いラップを踏む、ここまで緩めるとこれに合わせずにプレッシャーを掛けて行きたいところなんだが、結局後ろを意識しすぎたことと掛かったことで余計に仕掛けに対して消極的になった。その結果動き出しの段階で瞬時のギアチェンジが要求されて、ロゴタイプに鞍上の仕掛けの意識の差で出し抜かれてしまっている。これは決定的だったなと。少なくとも戦略的に田辺とベリーで雲泥の差があったと思う。


 ただ、そうなった要因としてはやはり掛かってしまったことが大きい。このペースで遅かったとはいえマイルCSぐらいのレベルだし、最序盤からそこまで積極的に出していったわけでもないのに明確に掛かってしまっていて、あれだけかかるとコントロールが難しい。足を使ったイメージで当然騎手としてはそこから緩められて更に掛かり気味になる中で一気に前をと言うのはちょっと難しかったのかなと思うね。行って何かに差されるという意識はどうしても働く。意図して番手をとっていたならもうちょっと展開やペースに対する騎手のアンテナも働いたんだろうけど、恐らくコントロールで手一杯になってしまってそこの読みもできなかったかなと。まあ対ロゴタイプという観点で見るなら3~4角で緩められてそれに合わせてしまった段階で恐らく勝負あったと思う。


 それはそれとして、やはりこのレースは11.3-10.9-11.7とL1はそれなりには落としている。まあロゴタイプが出したラップなので実際ロゴタイプとの差を詰めていたモーリスはもうちょっと早いラップを踏んでいるんだがそれでも1馬身ちょっとぐらいしか詰めていないと思うので、11.5が出ていれば良いほう。間違いなく減速ラップを踏んでいる。状態面、掛かってしまったのも大きい、緩やかな加速ではなく瞬時のギアチェンジを要求されたことでこの馬の爆発的なTS持続力が削がれてしまったか。いろいろ考えられると思うが、フィエロ比較で見てもパフォーマンスを落としてしまっているのは間違いないと思う。昨年の安田もなんとか勝ち切れたが、この馬自身パフォーマンス比較で見ても前半無理をしないほうが良いのは間違いないところだと思うし、折り合いはともかく前半無理をしないで後半にしっかりとギアをじわっと上げながらトップスピードに乗せていくという過程を踏んでいくというのが理想じゃないかなと思う。今回は検疫の関係で東京競馬場での調整になったのもあるし、掛かりながらも2着を死守できちゃうぐらい地力が高いということもできるし、良い展開だったとも思わないから流石モーリスだなとは思った。


+++++ポイント結果+++++

222


333



6/5にロゴタイプ(笑)



鳴尾記念のハイペース、レコード決着に反してドスロー決着。


有力馬が後方待機&外に回してスパートしたのに対して内枠沿いにロス無く先行できたロゴタイプの戦略勝ちですね。

「掛かりながら2着を守ったモーリスは相当のポテンシャルだ!」

っとアンカツさんが言ってました。