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フィリーズレビュー 2016 レース回顧・結果:ソルヴェイグ、川田が完璧に立ち回り、馬もそれに応えて完勝!


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2016 フィリーズレビュー(GII) 阪神芝内1400m良
レース回顧・結果

1:22.1 12.2 - 11.2 - 11.6 - 12.2 - 11.7 - 11.5 - 11.7
35.0-34.9M


 想定的には最悪というか最も緩い流れに振り切っている中ではギリギリの想定範囲内。それでも後半のラップは想定より仕掛けが遅くL1も落ちていないし、L4の12.2も結構緩んでいる。上がり切らないとみていたがそれでも思っていたよりもマイル色が強く出たかなという感じはある。まあダイアナヘイローが出負けした段階で展開は想定外にならざるを得んが、 レース全体としてみても多分ダイアナが前にいなかったことで思ったよりポジション取りが楽になってペースを落ち着けに来たかなというところもある。全体的に見れば基礎スピードは1400にしてはあまり問われない、L4で緩んでの再加速だし馬場も高速状態で軽かったのでL1も落ちない流れ。前を向いて外から押し上げた馬の方が脚を出し切りやすい展開ではあったと思う。


 1着ソルヴェイグは2番枠から好発を切って無理なく先行争い、キャンディバローズを行かせて2列目のポケットと理想的に近い位置を確保する。3~4角でもポケットで仕掛けを待ちながら直線に入る。序盤でキャンディが出し抜きを狙ったところで生まれたスペースを上手く使って食らいつくと、L1ではジリッと差を詰めて半馬身差を捕えて交わしてと完勝だった。まずは川田の好騎乗を褒めないといけないし、馬も応えてきたという点では人馬が噛み合った。正直自分の眼には追い切りがイマイチだったと思ったんだけど、これは見当違いだったかな。強い競馬ができたのは確かだが、これまでこの馬は1400でも割とスピード色が問われることでイマイチワンパンチ足りない馬だったのも確かだと思う。今回パフォーマンスを上げてきたのは平均ペースでも明確に息を入れる形になって2列目ポケットからペースアップに対応して後半要素を高めてきたのかなという感じ。1400のスピード勝負より緩んで総合的な良さを引き上げてきたのであれば普通に考えればマイルへの延長はプラスに働く可能性が高いんじゃないかなと思う。ただ、まあ正直な話キャンディバローズやアットザシーサイドといったところとの比較で見た時にメジャーエンブレムやチューリップ賞の上位と比べると…というところかな。トップスピードの質はここではそこまで問われなかったがマイルまで伸ばすとペースも早けりゃトップスピード面もある程度は要求されてくる。そこに質的にどこまで対応できるかは今の段階では未知数。ただマイルに延長すれば基礎スピード的にも高いレベルで対応できると思うのでそこは強み。まあダイアナヘイローが一番印象的に残る競馬にはなったけど、この競馬の中で高い総合力を見せてきたのは確かなのでそこは評価しないといけない。こういう競馬で良さが出てきた辺りはダイワメジャーの仔っぽい感じはあるかな。


 2着アットザシーサイドは9番枠から五分に出てそこから手を動かし下げ過ぎずに上手く中団には取り付いていく。道中も中団馬群の中で進め、3~4角で徐々に加速していく流れの中でやや反応に苦しみながら直線に入る。序盤ではまだ伸びがなかったがL1で捌ききるとそこからはグンと伸びて強襲、2着を確保した。ん~…まあ難しいところだね。L1で11.7の地点でまず5馬身差はあったし、そこからL1の上り坂でグングン伸びて4馬身近くは詰めてきた。多分この馬はL111秒を切るか切らないかのレベルの脚を使ってきていると思う。そう考えるとこの馬も昨年の世代で言えばタッチングスピーチみたいにエンジンの掛かりが遅いタイプではあるんだなあと感じるかな。その点で仕掛けが遅れがちの福永とはちょっと合わなかった感じはする。それでも突っ込めた辺りはレベルにも恵まれたとは思うんだが、この馬自身もこの距離なら結構侮れんなあという内容だった。時計的には平凡だし、JFもロスが多い競馬だったからマイルでもやれると思うんだが、この不器用さはこれから先は騎手を選ぶかもしれんね。ただこのレースで脚を余したのが確定的な一頭になるので桜花賞戦線ではこちらの方を狙いたいかな。もちろんレベル的に通用するかは別問題として、適性的に見ても内枠で我慢してメジャーが早仕掛けになった時に噛み合ってのバテ差し食い込みをイメージできる馬ではあるかな。まあこの一戦は脚を余したとはいえレベル的にはさほど強敵がいなかったのもある、時計的にも平凡な中でこの馬とダイアナだけは流れの中でL1の脚が凄かったという点では評価していいと思う。


 3着キャンディバローズは7番枠から好発、ある程度出していくが内からハナを切りそうな馬が出負けしていた李で結局押し出されるような感じでハナを切る形になってしまった。道中も息を入れつつしっかりと平均ペースを刻みながら3~4角でも主体的にペースを引き上げて出し抜き気味にしかけて直線。序盤でスペースを与えたソルヴェイグに抜け出されると、L1ではアットザシーサイドに急追されて3着と賞金は積めずも権利は確保した。まあ賞金的には重賞勝ち馬だし、内容的には悪くない内容だったけど正直ここでハナを切る形は誤算だったかもしれんなあと。内のダイアナヘイローが逃げる前提でいたと思うしある程度出していきながら番手を取るつもりが内のダイアナが出負けしたことと、誰も行く気がなかったのもあって目標になってしまった。それでもそれならそれでしっかりと変に緩めずに平均ペースを作る辺りは流石に手練れの武豊だなと思ったし、仕掛けも逃げながらにして主体的に作っていけた。まあ相手を間違えた感じはあるしポケットにいるソルヴェイグにとって有利な早仕掛けで出し抜いたところで早い段階で勝ち馬にスペースを与えたのも多少の差はあったかな。まあそれでもこの展開にしっかりと対応して2着に入ってきたのは流石。桜花賞戦線でどうこうってのは使える脚が長くないので難しいと思うし、ここが目標っぽい感じはしたけど。


 4着ダイアナヘイローは3番枠から出負けしてしまって中団からの競馬になってしまう。道中も狭い中団馬群の中を選択して3角では明確に口を割って進めている。かなり揉まれて中団馬群で動けない状態で3~4角を立ち回って直線。序盤で進路を外に持ち出すがそこもスムーズさがなく時間がかかる。L1d外に出し切ってからはグングン伸びてアットザシーサイドとともに猛烈な末脚を見せての4着だった。昔話になるけど、最後の差し込は親父キングヘイローのスプリンターズSのワープかってぐらいの末脚だったと思う。アットザシーサイド比較で見ても脚色では互角にはあったと思うし、この馬も恐らく11秒前後のラップをL1で刻んできたとみていいだろうと。まあ明らかに出負けが響いたしこればかりは競馬だから仕方ないんだが、その中で収穫を得たというのは大きな材料かな。もちろん相手関係は楽だった方だと思うし、一つ懸念としては本当に基礎スピード面が高いレベルで問われてやれるかを見たかったんだがこの流れで中団からだとペースバランス的には楽に入ってきているので、ペースが上がってどうかはまだ決めつけない方が良いとは思う。もちろん大丈夫だと期待はしているが。



 16着ナタリーバローズは16番枠から五分に出たものの下げて後方にという形になる。道中もメイショウスイヅキの後ろから外々という形で3角。3~4角でもメイショウの直後を取って後方で直線。序盤でメイショウ二も離され一瞬も脚を使えないまま最後まで良さが出ずの惨敗だった。まあポジション取りがミルコなのに非常に消極的だったな、というところはあったが、それでも馬自体に問題があったと考えるべきかな。特に一足ぐらいはと思っていたんだがメイショウスイヅキ比較でそこも明らかに足りなかった、一足をそもそも引き出せていない感覚だった。1400でも高速馬場で35-35だと絶対的なスピードで足りなかったのかなと見るべきかな。ここ2走の感覚からはマイルの方が合っているとは思っていたが、この展開ならそういうタイプでもと思ったんだが。まあ枠も消極さもあったにせよ、後方からでも脚が引き出せなかった時点で適性的に苦しかったんだと思う。サムソン産駒の傾向で考えるならやっぱり1800~2000の府中で見てみたいかなあ。桜花賞戦線は名実ともに脱落したし、オークス路線に矛先を向けてほしい。まあどこまでやれるかはそれでも未知数だけど。


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ポイント結果


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