【きさらぎ賞】アメリカズカップがクラシックの登竜門制す

サンケイスポーツ 2/5(日) 15:44配信

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2月5日の京都11Rで行われた第57回きさらぎ賞(3歳オープン、GIII、芝・外1800メートル、別定、8頭立て、1着賞金=3800万円)は、松若風馬騎手騎乗の6番人気アメリカズカップ(牡、栗東・音無秀孝厩舎)が制し、重賞初制覇を飾った。タイムは1分50秒1(重)。

 昨年のサトノダイヤモンド(のちの菊花賞覇者)など勝ち馬から13頭のクラシックホースを輩出してきたこのレース。タガノアシュラがハナに立ち、プラチナヴォイス、マテラレックスが続く展開となった。直線に入ると、プラチナヴォイスが一旦抜け出したが、道中は4番手につけていたアメリカズカップがグングンと伸びてかわし、6番手の外から追撃してきた2着馬サトノアーサー(1番人気)を1馬身3/4差で退けた。さらにアタマ差の3着はダンビュライト(2番人気)。

 なお、〔8〕枠(8)番のスズカメジャーはスタート直後に外に逃避してバランスを崩し、福永祐一騎手が落馬したため、競走中止となった。

 アメリカズカップは、父マンハッタンカフェ、母ベガスナイト、母の父コロナドズクエストという血統。北海道千歳市・社台ファームの生産馬で、馬主は谷掛龍夫氏。通算成績は4戦3勝。きさらぎ賞は音無秀孝調教師、松若風馬騎手ともに初勝利。


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騎手コメント


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 松若騎手(アメリカズカップ=1着)「前走(朝日杯FS9着)は出遅れましたが、この日は好スタートでいい位置を取れました。この馬場だったので、早めに仕掛けていこうと。(馬場を)気にしないで、ノメることなく、しっかり走ってくれました。成長途中でこれだけ走れるのは能力が高いです。さらにパワーアップしてくれると思います。今後が楽しみですね」

川田騎手(サトノアーサー=2着)「スムーズに競馬してくれて勝ち馬の後ろから行けたんですが。得意ではない馬場だろうと思っていましたが、頑張って走ってくれました。いい経験になったと思います」

ルメール騎手(ダンビュライト=3着)「いい感じで流れに乗れて長く脚を使ったが。道悪は大丈夫だった。もうちょっと良くなる余地がある」

和田騎手(プラチナヴォイス=4着)「向こう正面から内にささるくらいひどかった。ラチに張りついて、ぶつかりに行きそうになった。それを直すのにブレーキがかかってしまい、力を出し切れなかった。この馬場もこなすかと思ったが、ノメっていた」

福永騎手(スズカメジャー=競走中止)「馬は非常に良かったが、気の悪いところがあるから。ゲートまでうまくいったんだけど」




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敗因分析のバイブル~競馬をやって何が悪い。より


2017 きさらぎ賞(GIII) 京都芝外1800m重
レース回顧・結果

1:50.1 12.9 - 11.6 - 12.0 - 12.5 - 12.6 - 12.4 - 12.2 - 11.7 - 12.2
49.0-48.5 M

 諸事情がありまして色々遅れて申し訳ありません。さて、きさらぎ賞の回顧だが…まずスタートからハァと溜息が出てしまう落馬があって、まあ比較的レースは冷静に見ていたんだがやっぱりサトノには辛い展開になったなと。馬場が重いので49で入っても後半が48.5しか出ない、これでも平均ペースだったと。重馬場の中で全体的な競馬、パワー型基礎スピードが要求されたし、そのうえで仕掛けはL2最速だから決して早くない。とはいえこれを差し込めるだけの脚を誰も持ち合わせていなかったというところでしょう。サトノも特化した時には強烈な脚を引き出せるかもしれないけど、これで怪物の線はなくなったなと思う。


1着アメリカズカップ


 7番枠から五分に出てじわっと先行させつつ最終的には2列目の外で進めていく。道中も緩いというほどではなかったがかなり前向きで掛かり気味に追走していく。3~4角で少し緩んでという中で、じわっと追走、4角で軽く鞭が入って先頭列に並びかけて直線。序盤で追い出されてからすぐには抜け出せなかったが徐々に先頭に立つ。L1でもしぶとく踏ん張ってサトノアーサー、ダンビュライトの追撃もほぼ関係なく、差を詰めさせずの完勝だった。ん~、まあ諸条件が一番噛み合った可能性が高いなというのが第一。朝日杯の内容的には距離不足だったとは思っているし、野路菊Sの感じから上がり勝負では並だったから、タフな馬場で平均、そこから早いラップを問われない平均的な中での2F戦というのが良かったのかなという気はするね。まあこのレースはサトノが怪しいとは思えても何が勝つか?となると結構難しい一戦だったとは思うし、その中でダンビュライトが一番適性的に良いかなと思っていたけど、能力面全てを含めてこの馬が噛み合ったのかなという感じ。この感じだと距離自体はもうちょっとあった方が良い感じはするんだけどね。全体のペースをある程度引き上げる形で先行しながら長く脚を使う競馬を試してほしいかな。それとこれまで460kg台で競馬をしてきて、そこから3歳になって12kgも絞って450kgでこれだけの競馬ということからも、これまでがちょっと重かった可能性もあるから、これからパフォーマンス自体を上げてくる可能性も考えておく必要はありそう。


2着サトノアーサー

 1番枠からやや出負け、そのまま後方に下げる形で前半は無理をせずにこの馬の競馬で進めていく。ただゆったりとした流れと言っても重馬場でこれまでの51秒台のペースとは一線を画す49秒で団子の最後方、追走に脚を使わされながら3角に入っていく。3角手前から外に誘導、坂の下りで徐々に動く意識を持ちながらだが如何せん手ごたえが危うい。4角では肩鞭から明らかなアクションが合ってようやく中団に取り付く。序盤で追い出されるが破壊力はなくジリジリ、L1で何とか伸びてくるがダンビュライトとの叩き合いを何とか制した2着まで、完敗だった。


 まあこのパターンはやっぱりあり得るな、という感じだった。もうちょっと軽い馬場なら49から中弛みで無理せず、終い33秒台後半でまとめてってのも出来たんだけど、本当に偏差が小さい競馬になって最速も11.7。ポテンシャル戦の範囲内だし、もっと言えばパワー型の基礎スピードを問われての2F戦だからね。どちらかというと前後半の要素をバランスよく問われた感じ。これまで後半特化の競馬ばかりしてきた中で良さが出てきた、しかもトップスピード戦で爆発したとなるとこういう形で危うさが出てくるのはある程度仕方ないかなと思う。ただ馬場の違いはあったにせよサトノダイヤモンドはある程度の流れから一気に突き抜けてL1最速とかそういう競馬ができたわけで、現状それと重ねるのは流石に可哀想かなと思う。阪神外、しかも極端に緩い競馬になりやすい1800m戦は上がりだけだと結構えぐい数値が出やすいから、新潟外回りと近い感じで過度に評価するのは危険ではある。ある程度のペースの中で鋭さを引きだせてこないとなかなかクラシックでどうこうという評価は下しにくい。少なくとも今回平均的な競馬でこのレベルに力負けを喫しているわけで、皐月賞路線はなくなったかなと思う。ダービーでも最低限の基礎スピードがいるからね。もうちょっと詰めてこないとなあ。



3着ダンビュライト


 4番枠から五分には出てそこからじわっと追走しつつ、最終的には2列目の後ろで進めていく。道中の若干の中弛みでも少し手が動いて追走に苦労している感じはあった。3~4角でも終始手が動いて促され、そこからじわっと2列目に取り付いて直線。序盤でそこから伸びたいところだったが逆にアメリカズカップに突き放される。L1ではジリッと伸び続けていたが最後はサトノアーサーとの競り合いに微妙に見劣っての3着完敗だった。馬場の悪化具合なんかはこの馬にとってちょうどいいかなと思ったんだけど、まあサトノ相手に互角にやれているわけで適性的にはやっぱり良かったとは思う。ただ結局L2でスッと前に動かれたときに反応できなかった感じはあるので、3角辺りから終始馬群の中で押し上げようとしてなかなか動けなかった分、直線での反応に戸惑った感はあるかな。地味に不器用な感じがあるし、朝日杯も窮屈にさせて良さが出なかった面もあるからね。L1まで踏ん張れているから及第点ではあるけど、あんまり馬群の中で進めてどうこうって感じの馬ではない気がするね。ただそれはそれとしてルーラーの仔は今のところホントワンパンチ足りない馬が多いなあ。勝つならここかなと思っていたんだけど。


4着プラチナヴォイス


 5番枠から五分に出てそこからじわっと先行策、そのまま無理なく番手外を確保していく。最序盤は追走も楽な感じだったが3角の坂の上りぐらいで少し促されて減速ラップでも追走に苦労する感じ。そのまま3角下りでじわっと先頭に並びかけ、4角では楽な手ごたえ、先頭で直線に入っていく。序盤で追い出されるがそこからの脚でアメリカズカップに見劣り2番手、L1では外差し2頭に差し込まれて圏内から脱落の4着までだった。ん~この馬の経緯からして洋芝ではイマイチで高速京都1800で出遅れながらえげつない巻き返しでレコード、その辺りからもこういう渋った馬場が合わなかったと考えるのが一番かなと思う。基礎スピード自体は高いのは間違いないと思うので、ここで物足りなかったとなるとやっぱり馬場と考えた方が良いんじゃないかな。高速馬場で巻き返しを期待したい。


5着エスプリトゥオーゾ


 6番枠から出負けして最後方からの競馬となる。道中も1頭だけ少し離れた位置で進めて3角の緩みで取り付くような感じで入っていく。3~4角では明らかにサトノアーサーを目標にしながら内内で我慢しつつ出口でサトノの直後で直線。序盤でそこから追い出されると一瞬は悪くない脚。L1でそこからの伸びが欲しかったがここではサトノやダンビュライトに水をあけられての5着完敗だった。まあ思っていたよりはがんばったなというところ。未勝利レベルでもキレ負けしていた感じなので、渋ったこととある程度流れたことは良かったのかなと。ただそれでも物足りないのは物足りないし、今の段階では自己条件で無理せず走った方が良いかな。


7着タガノアシュラ


 3番枠から五分には出てそこから積極策、押して押してハナを取り切る。道中もコントロールしつつ3角手前ぐらいから坂の加減で減速も極端な緩みではなく。ただ3角の下りから追い出されての反応がイマイチで、まずプラチナヴォイスに交わされて直線。序盤の段階でもう脚がなく失速してしまって実質殿負けを喫した。ん~結果的にスローに落とす岩田と馬場のバランスが絶妙に相まって理想的なペースで入ったと思うんだけどね。これで3角下りから脚色怪しくなるようだとちょっとよくわからん馬だね。ただ、厳密に言うと1800はちょっと短いんじゃないかなとは思ってる。もうちょっと長い距離でゆったり運ばせて見直せれば。タイプ的にはドスローの上がり勝負は明らかに不向きだけど、息を入れて進めたい馬ではあると思うし、そういう意味でも淀の外回り2200~2400、阪神の2400ぐらいまで延ばした方が良い感覚ではあるかな。噛み合ったときはL1で良い脚で粘れているわけで、3歳春の頃のスピリッツミノル的な競馬ができると思うんだけど。ここまで崩れると良い気は全くしないけど、距離延長で警戒したいかな。



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+++++ポイント結果+++++

333


444





~タマネギのレース感想~


生でレース見れなかったんですが発馬直後に福永騎手落馬って聞いてビックリしました…


555




幸いな事に大きな怪我もなくて良かったですね!最終で勝っちゃたみたいだしw


圧倒的人気のアーサーは残念2着!!

牡馬クラッシックは絶対的な主役もまだ見えないし混戦ですねぇ…

今年のダービーが今から心配です……笑