【天皇賞・秋】モーリス中距離でも頂点!GI5勝目

サンケイスポーツ 10/30(日) 15:46配信

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10月30日の東京11Rで行われた第154回天皇賞・秋(3歳以上オープン、GI、芝2000メートル、15頭立て、1着賞金=1億5000万円)は、国内外のマイルGIで4勝を挙げている1番人気モーリス(牡5歳、美浦・堀宣行厩舎)が英国の名手、ライアン・ムーア騎手に導かれて快勝し、中距離GI初制覇を達成した。タイムは1分59秒3(良)。

 レースはエイシンヒカリが逃げ、昨年の覇者ラブリーデイが2番手につける展開。中団の前めを進んでいたモーリスは直線で外から一気に脚を伸ばし、中団のやや後ろから追い上げた2着リアルスティール(7番人気)に1馬身1/2差をつけてゴールを駆け抜けた。さらに1馬身1/4差の3着には昨年の2着馬ステファノス(6番人気)が入った。

 ◆ライアン・ムーア「陣営が完璧に仕上げてくれていたので、今までにない走りを見せることができました。レースのペース自体が早くなく、前の馬と話されずに済んだのもよかったです。早く追い出しても他の馬が追いつけないという自信がありましたし、完勝でした」

 モーリスは、父スクリーンヒーロー、母メジロフランシス、母の父カーネギーという血統。北海道日高町の戸川牧場の生産馬で、吉田和美氏の所有馬。通算成績は17戦10勝。重賞は2015年のダービー卿チャレンジトロフィー・GIII、安田記念・GI、マイルチャンピオンシップ・GI、香港マイル・香港GI、チャンピオンズマイル・香港GIに次いで6勝目。天皇賞・秋は、堀宣行調教師、ライアン・ムーア騎手ともに初勝利。

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Mデムーロ騎手(リアルスティール=2着)「すごく頑張った。少しかかったけど、馬場の一番いいところを走れた。競馬の前は元気だったけど、乗ったら落ち着いた。賢いね。モーリスは強かったけど、リアルも強いよ」

川田騎手(ステファノス=3着)「予定通りの競馬ができたし、直線も頑張ってくれた。前2頭は強い馬ですからね。よく頑張っています」

音無調教師師(アンビシャス=4着)「もう少し流れてくれるのを祈っていたが、ペースが上がらなかった。前残りの流れなのに、差し馬が届く不思議な競馬だった」

田辺騎手(ロゴタイプ=5着)「道中で脚をためられたし、いい感じで直線に向けた。使ったことで状態が上向いていた」

松田助手(アドマイヤデウス=6着)「馬は良くなってきているし、今後に期待できる内容だった」

戸崎騎手(ルージュバック=7着)「3、4コーナーまではいい感じだった。ペースが遅かったので外を回ったが、直線でごちゃついてしまった」

田中勝騎手(ヒストリカル=8着)「伸びているけどね。このスローペースじゃ仕方ない」

ルメール騎手(ラブリーデイ=9着)「大外枠で競馬が難しかった。2番手でリラックスして走れなかった」

シュタルケ騎手(サトノノブレス=10着)「もう少し前の位置を取りたかったが、取れなかった。不利もあったし、厳しいレースになってしまった」

内田騎手(クラレント=11着)「速い上がりを持っていない馬なので、もう少し時計がかかった方が良かった」

武豊騎手(エイシンヒカリ=12着)「うーん、残念。先手を取って、折り合いはつきすぎるくらいだったけど、突き放そうとしたら思ったほど伸びなかった。難しいね。走らない時のこの馬でした。去年はエキサイトして駄目。今年は優等生過ぎた。こういう馬です。また次、頑張りたい」

蛯名騎手(カムフィー=13着)「この馬なりに伸びているが、ほかの馬も伸びていた」

福永騎手(サトノクラウン=14着)「いいポジションで競馬ができたが、直線では手応えがなかった」

池添騎手(ヤマカツエース=15着)「好位のいいところを取れたが、このメンバーで瞬発力勝負になると厳しかった」


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敗因分析のバイブル~競馬をやって何が悪い。より


2016 天皇賞秋(GI) 東京芝2000m良
レース回顧・結果

1:59.3 13.3 - 12.0 - 11.6 - 11.9 - 12.0 - 12.3 - 12.0 - 11.5 - 11.0 - 11.7
60.8-58.5SSS


 想像以上に入りの1000が遅くなって60.8、その分後半1000で58.5とそこそこは速かったが、それでも昨年の57.8と比べても0.7も遅いことが示しているように馬場自体やはり時計が掛かっていた。少なくとも高速馬場ではないのだが、その中でも2.3とかなりのスローの部類になってしまったし、そのうえで仕掛けどころも遅くL2最速が顕著。コーナーのL5-4の地点では12.3-12.0という流れで遅い。想像以上にポジショニングとギアチェンジが問われた感はある。ロゴタイプ辺りが頑張れたのも安田記念に近い形になったからかな。


1着モーリス

 8番枠から五分には出たが少し挟まれてという競馬になる。それでもじわっと出していって早い段階で2列目の中に入り込む。それでもまた窮屈な先行集団でという形を嫌って一列下げて好位。そこで折り合わせるとしっかりとドスローの流れに乗っていく。 3角でも折り合ったまま好位外目を追走するのだがまだまだペースが上がらない中でヤマカツエースの直後から馬なりで直線勝負。序盤で追い出されてしっかりと反応するとL2の上り坂でグンと伸びて外に寄れながらも一気に先頭に立つ。そのままL1まで後続を寄せ付けずの完勝でマイルと中距離、2階級GI制覇となった。まあもうこうなっちゃうとね、って感じ。2000自体の不安も府中の不安も無かったし、後はこの馬が得意としているトップスピード戦になるかどうかだけ。折り合っていたので安田記念の時みたいに仕掛けを意識できずに、というのではなくヤマカツを壁にしながら直線で外に出した瞬間からしっかりと追いだす競馬でトップスピードに乗せきれた。折り合いも完璧で流石ライアン・ムーアというしかないと思う。決して最序盤のポジション取りが良かったわけではないし、ムーアも一列下げたのはBプランだろうと。3~4角で外々になったがこれもエイシンが引き上げなかったので外を回すロスがほぼ無かった状況。直線ヨーイドンであの位置で入れればそりゃこの馬でしょう、というような競馬になっちゃったなと思う。長期的に見た自分の評価の方が多分予想前の色々馬券的に考えてしまう自分の評価より重要だなと感じたなあ。まあ今回はここまでドスローで個駒とトップスピード戦になってしまうとは全く読めなかったから仕方ない。こういう展開で折り合えたならもちろんモーリスなわけだし、この1着、勝ち方自体は全く驚かない。むしろ展開を読み違えているんだからこれぐらい気持ちいいぐらい外れてくれてちょうどいい。仕方ないし勝ったモーリスに天運が向いたというのもあるからね。流れてどうかってのはこの距離ではあると思うんだけど、トップスピードが問われればイスラ比較でみても大体昨年の天皇賞秋のメンツとの比較でみてもこんな感じかな。ムーアも完璧ではないと思うけど流れが引き寄せられたし勝つべくして勝つ競馬をしてきたと思う。


2着リアルスティール


 12番枠からまずまずのスタートを切ってさあミルコが前に行くかなと思っていたが結果的にヤマカツやラブリーが行きたがった感じなのでそれを行かせて好位外、そこから最終的には中団外に下げる形になった。3~4角でもペースが上がってこないという流れの中でミルコらしく外からじわっと加速扶助をするが少し反応が鈍く後方に下がる。序盤で外から伸びるが坂の上りでグンと来る感じで一気に2列目まで視野に入れてくる。L1までステファノスの追撃を寄せ付けず、モーリスとの差はつまらなかったが単独2着を確保した。むしろリアルスティールの2着の方がちょっと驚いたかな。もちろん入りがゆったりの中で最低限いい位置を取れたと思ったけど、リアルのこれまでの競馬からこれだけスローで後半のトップスピード特化戦でどうこうってのは思わなかったし、中山記念は淀みで巻き込まれる形で出し切れなかったというのはあるから素材的にはかなりのレベルとは思っていたが、あくまで段階的に動いていって、という感じだと思っていた。まあこの馬は3~4角で外から動こうとしてはいるのである程度ミルコらしい競馬でフォローはできているにしても坂の上りの最速11.0で明確に切れるとはたまげたな、という感じ。ちょっと思っていたのと違う好走だった。ただ、基本として好走した要因の中で大きなウエイトを占めるのは最序盤がスローだったことだと思う。これは変わらんし、ゆったり入ることで自分のリズムでまずはしっかりと走る。そして勝負所に向けてしっかりと準備して早めに仕掛けて出し切ることが大事ってのはイメージ通りと言えばイメージ通りだし、ステファノスを寄せ付けていないからやっぱりレベル高いわ。ただ、L2のキレは想定外で、ここまで切れる馬だとは思っていなかった。モーリスとの敗因はやっぱり結果的にポジション差になると思うし、しっかりとエンジンをかけてやれれば今後も楽しみだね、こういうタイプだから福永より断然ミルコの方が合うんだろうと思う。積極的に仕掛けて勢いをつけてから出し切るイメージをもってくれれば。思ったより適性面で強化してきたのもあるけど、それでも長距離的な適性の方が高いと思うし、2400~2500のJC、有馬で見てみたいしどちらかと言えば有馬でミルコで見たいね。


3着ステファノス


 14番枠からまずまずのスタートを切ってポジション取りをどうするかというところだが内に切り込みながら最終的には後方でという形、昨年より後ろからになる。道中も無理せず自分のリズムで入って後方のまま3角。3~4角でも後方で我慢しながら直線で外だがリアルスティールより一列後ろとなる。序盤で追いだした段階ではリアルに並びかけてきたんだがL2の坂の地点で明らかにリアルスティールにキレ負けしてここで1馬身差広げられてしまう。L1では再び差を詰めようとしていたが誤差の範囲、3着までだった。ん~…ギアチェンジではリアルスティールに勝っていたんだけど、結局のところL2の究極的な最速地点、坂の上りでのトップスピード地点でキレ負けしたのは映像的にも見られたかなと思う。まああれはリアルスティールが想像以上だったというのもあるんだけど、しかしこの馬にとっては昨年同様良い展開だったと思う。昨年と違ったのはやっぱり前半のポジショニングだったかな。まああの枠からだと後ろからになるのは仕方ないけどゲート自体は良かっただけにリアルスティールとの位置が逆ならというところもあったかな。昨年ほど上手く前半を運べなかったという点はあるが、まあそれでも及第点の騎乗はしてくれたと思うし、馬としてもこのレベルでは最速地点でキレ負けしちゃうね。結果はともかくこのレベルで流れた時にどこまでやれるか見たかったんだけど、お預け。アンビシャスも同様だけど。


4着アンビシャス


 3番枠から出負けしたのでノリらしくまず下げ切ってスペースを作る。道中も折り合いはやはり少し苦労していたのでそのスペースを埋めながら上手くバランスを取っていって3角までにはそこまで悪くない位置で入っていく。3~4角でも後方列の内内から狭い馬群を捌きながら直線で内を確保、序盤で追い出されてスッと反応してL2でも内からジリジリと伸びてくるがやはりキレではそこまで優位に立てず。L1でそこからもジリジリと伸び続けてロゴタイプは捕えての4着までだった。まあこれは仕方ないっすね。ノリは考えられる中では最高というか4角での進路どりからの内ってのはなかなか気持ちよかった。この馬の脚は出しているんで、後は展開が噛み合わなかったというところ。やっぱ府中で直線ヨーイドンではこんなもんなんだよね。毎日王冠は結局他が出し切れなかったのが大きい。なのでやっぱこれだけペースが遅くて後ろからだとこれはもう仕方ない。ノリにしても出負けしたことでやることが一つになったし、ポツンからの押上げでコントロールしながら3角では勝負になる位置にいたんだし、まああの位置から届かないのはこの馬の力。折り合い重視の競馬を強いられたんだからこれはもう仕方ないね。噛み合わなかったからね。いつも思うけど折り合ったから弾けるとかそういうもんでもないと思うんだよな。ドスローなら掛かって当然なんだし、折り合いの程度問題よりも掛かっているのがどういう流れで掛かっているのか、そういうことを考えた方が良いだろうと。宝塚の場合はかなりのハイの中で掛かってあの位置ではどうしようもないとも思うし、ドスローならゴリゴリかかっても勝負所までに落ち着いて騎手がしっかり動かすイメージがあればやれるしね。あまり折り合いどうこうよりも掛かったところがどういうところかを考えた方が良いかもしれん。騎手も陣営も折り合いっていう雲をつかむようなふわっとしたところに頼り過ぎだけど、アンビシャスでもわかるように折り合って運んだから弾けるかって言ったらそういうわけでもないからね。映像的な鋭さはあくまで相対的なもんだから、レースの中でしっかりとどういう流れだったのかを見ながらポイントポイントでしっかりとみていく意識を持ってほしいかな。この馬はスローの3F直線ヨーイドンでは折り合ったってこれが限界。だから段階的にペースを引き上げて行くなり、前半から勝負するなり、折り合い難と向かい合いながらバランスとリスクを取っていってほしい。馬は本当に良い馬だと思うので。


5着ロゴタイプ


 5番枠からまずまずのスタート、エイシンヒカリよりゲートは良かったがエイシンが行ききる構えを見せたので控えて2番手。ここでドスローに落とそうと意識しているような田辺のコントロールなんだが、ラブリーデイが前に入ってきたことで控えての2列目ポケットとなる。多分これはBプランかな。そのまま2列目ポケットで我慢し、仕掛けを極限まで待てる展開になって直線。序盤で仕掛けられてスッと反応、ギアチェンジの性能で先頭列に並びかけるがモーリスの方が先に先頭に立っている。L2の最速地点で一旦2番手に上がるのだがL1はやはり甘くなって5着までだった。今回の天皇賞秋の象徴がこのロゴタイプ5着だと思う。ドスローで後半特化だがL4の段階で12.0だから相当遅い。ここから11.5-11.0と加速していく過程でロゴタイプの良さがもろに出ていたし、例年l2最速になりやすい天皇賞秋だがここまでドスローでかつ仕掛けのタイミングも明確に遅いレースというのはなかなか少ないと思う。ロゴタイプが残れたのはスローだったということもあるが、それよりも仕掛けのタイミングが遅くて加速性能で出し抜けていたことが大きい。まあその前に外からモーリスに出し抜かれてしまっているけど、モーリスは安田では3~4角で引っかかって仕掛ける意識を持てなかった、今回は完璧に折り合って勝負する態勢で直線に入ってきた。それに加えてやっぱり後半特化になったことでモーリスの良さが出たし、こちらはタフな馬場なので完璧に嵌ったけどL1のTS持続は並なのであの手ごたえから甘くなってしまうと。この辺を考えても今回のレースがいかにスローで仕掛けの遅かったレースだったかというのはロゴタイプ5着が間接的に証明しているんじゃないかなと。恵まれたというよりやっぱり府中だとギアチェンジで勝負したいタイプなんだなとは思うね。その辺りが噛み合った展開で、それでも5着だったから今回は距離というより馬場が重かったのが悔やまれるかな。田辺も嫌らしいレースメイクというか影の支配者的な競馬の展開をしてきたなと思う。いやらしいわほんと。


6着アドマイヤデウス


 6番枠からゲートは五分、ニュートラルに入って上手く好位集団にというところだが最序盤スローで好位ぐらいまで固まっていたので窮屈になるのを嫌って一列下げて中団という感じ。中団馬群の中で進めながら3~4角で外目に誘導、肩鞭が入って直線に向かうが反応はやはりちょっと鈍い。序盤でジリジリ、L2の坂の上りでのキレも物足りないが、L1ではジリジリと伸びて4着争いでは際どい6着となった。ん~坂の上りの地点の反応がなあという感じ。この馬はトップスピードの質的にはそこそこ通用したと思うんだが、坂の上りでジリっぽさが出てしまっていて、この辺りが京都巧者っぽいところになるのかなと。坂の地点で動けるイメージはなかったかな。まあ今回は相手も強敵だったというのはあると思うから、この馬の脚は引き出せたといえなくもないんだけど、L1では手応え以上、京都では最速地点で結構切れる、そういうことを考えると相対的に今回のL2は物足りない。から坂の上りの加速性能の差が出たか、或いはやっぱり高速馬場巧者なのか。難しいところだけど、結構いい感じに進めた割にもうちょっとL2で伸びてほしかったかな。個人的イメージではあるけど、4着は確保できる展開だったと思う。


7着ルージュバック


 9番枠から五分に出てそこから無理をせずに中団にという感じ、道中も少し掛かり気味ではあったが許容範囲内というぐらい。3~4角で後方馬群の中で窮屈になって終い前を向けず外から蓋をされるような形で直線に入る。序盤でもしばらく苦労していて蓋をされたリアルスティールに先に出し抜かれる。そこから進路確保して伸びてきたものの…という形で7着完敗だった。ん~まあ勝ち負けできたかはともかくとして、流石に3~4角での進路のイメージが甘すぎた。今回は人気馬で挑むわけで、有力馬が蓋をしてくるイメージも必要だったし3角まで壁を意識しすぎたことで動くべきところでスペースを無くしてしまったからね。坂の上りの前でエンジンをしっかりとかけ切れなかったからL2の最速地点でやっとスペースが空くという感じ。そこからも伸びてきているから強い競馬はしているし、ミルコに完全にやられたという競馬だったと思うけどね。馬自体はこの馬の脚を使えていないというか、やっぱりL2の地点まで加速していくところでの良さもあるし、持ち味は最速地点での切れ味なんだがそれを最速地点までに上手く順序立てられず、スピードに乗せきれない状況で坂に入ってきてしまった。この辺りが響いているとは思うけどね。もちろんアンビシャスとが得意とは言えない後半トップスピード特化戦であの感じだったわけで過剰人気ではあったと思うんだが、それでももうちょっと上手く進路を取れればこの展開なら見せ場以上の脚を見せられた可能性は高かったと思うんだけどね。ちょっと3角手前ぐらいから後ろだった割に動き出すイメージを持てていなかった、戸崎の弱点が出てしまったのかなと。馬の力はともかくとしても、少なくともこの馬の力を出し切れる競馬ではなかったのは間違いないと思う。


9着ラブリーデイ

 大外15番枠からルメールがギャンブル的に一気に2列目の外まで持っていく、そこからやや掛かり気味、ペースも遅かったので逆らわずにスッと行かせて番手外でここでガス抜きをする感じ。そこからはペースもそれなりに上がって折り合いもマシ。3~4角でもエイシンを行かせて絶好の展開で直線。序盤で馬なりで仕掛けを待ちながらの競馬だったがL2の最速地点でのキレが昨年ほどない。L1は更に甘くなるのも早くなって9着と完敗だった。栄枯盛衰とはよく言ったもので、去年と同じような展開、ギアチェンジ戦でルメールとしてはこれ以上ない完璧なポジション取りをやや折り合い面で苦労したことと引き換えに取り切った。その中でエイシンをある程度は突いたのでペースもそこからは最低限は上がったしそこで折り合えたと理想的な入り方だったと思う。正直やられたかな~と思ったんだけど、やっぱり去年のラブリーデイではないね。タフな馬場は有馬でも苦労していたから良いとは思わないけどここまで完璧に運んでここまで仕掛けも待ててここまで崩れるとなると、もうあのラブリーデイには戻れないと思う。残念だけど、ここまでルメールが嵌めてくれたんだから個人的にはちょっと寂しさはあるんだけど、もう得意条件でも狙いにくいね。ペースが上がった方がまだマシかも、トップスピード戦でここまでダメだと。まあ戦前から今年は去年から2段階は下げた評価をしたつもりだったけど、こちらの想像をはるかに上回ってきてしまった…悪い意味で。ちょっと悲しいけど、この展開はラブリーデイの展開なんだよなあホントは。


12着エイシンヒカリ

 1番枠からまずまずのスタートだったがロゴタイプの出脚が良かったので押して主張、ハナを取り切るがかなり速い段階でペースをコントロールしてドスローに持ち込もうとする。これに外からポジションを取ってきたラブリーデイが来たのでここでペースをじわっと引き上げてという感じになるがそれでも全体で見れば相当遅く60.8と条件級レベルのペースまで落とす。そして3~4角でも少し息を入れるぐらいで比較的団子、そのまま直線ヨーイドンに持ち込む。序盤で追い出されるが全然反応できずに2列目に取り込まれる。L2の最速地点で明確にキレ負け、最後は良さもなくの惨敗だった。


 まあね、去年はある程度仕方ないよ。スローでも結果が出ていたし、それでもTS持続で毎日王冠で押し切った形。逃げられなかったから仕掛けの意識も遅くなって、まあ連勝していたわけだから色々な可能性もあった。ただその秋天で明らかにキレ負けしていて、加速を遅らせて良い馬じゃないってのは分かったと思うんだけどね。仮に最序盤をスローに落としたとしてもそこから淡々と厳しいラップを踏んでいく香港C式の競馬だったり、まあスローのままならスローのままでコーナーで一気にペースを引き上げてL3最速なり、もうちょっとそういったこの馬の適性を考えた乗り方をしてほしかったけど、スローで逃げて直線ヨーイドンでどうしろと。12.0の地点からそのまま一気には加速できないわけだし、L3の段階で11.5、今週の時計が掛かる馬場で最速11.0とか究極的な切れ味が問われているわけで。そういう競馬に持ち込んだ段階で申し訳ないけど勝利を破棄したような乗り方だったと思うよ。


 エイシンヒカリの場合は引き出しが多い逃げ馬で、決してハイペースでゴリゴリ飛ばしていく馬ではないから、最序盤をゆったり入ること自体はそんなに否定はしない。だけど、そうなったら違う形で後続に脚を使わせないといかんでしょ、って話。エイシンヒカリで一番やってはいけない、ドスローからのトップスピード特化戦とか。1000通過までは良いとしても3~4角でも動く気配、脚を使わせる気配無く団子で直線とか鼻水出たわレベル。今年の武豊の騎乗の中でも1,2を争うレベルで酷いよ。馬をわかっているはずの今年でこれじゃあ…残念極まりない騎乗になった。スローでもいいがそれなら最低限段階的に仕掛けて動いていかないと究極的な切れ味勝負になってしまうやろ…。失望した。


 馬自体はこの競馬でダメなのは昨年の天皇賞秋が示す通りなので何とも言いようがない。タフな馬場は良かったと思うけど、それで11.0とか昨年より瞬間的な最速ラップでは速いわけでちょっとって感じだし。ペースを引き上げてどこまでやれるかはわからない面もあるが、少なくとも香港カップは最序盤だけ遅くて後は淡々と11秒台後半の競馬をしていたんだから、そういう引き出しもある。ちょっとこの騎乗は納得がいかない。海外で勝ってきたからコンビ解消しないで香港で最後は意地を見せてもらいたいけど、本当にこの一戦は不満が残る騎乗だった。違う競馬をして勝てたとか負けたとかそういう次元の話じゃなく、この競馬ではキレ負けしちゃうでしょって…。直線までに負けしか見えない競馬をした段階でやっぱダメですよ。まあ馬に行きっぷりがなかった感じもあったかもしれないけど、やっぱりこの馬にとっていいペース、ペースを遅くしたなら動き出しでフォローしてもらわんとね…。

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+++++ポイント結果+++++

111

222


う~ん、難しいレースだった。

Sペースだし、先行馬有利かと思いきや外回った差し馬に凄い脚使われてジ・エンド。

ラブリーデイはもう……泣

4着アンビシャスは通った場所が悪かったねぇ…


いっぱい負けたしエリ女までおとなしくしてます^o^;