【オークス】勝負を分けた進路取り 臆することなく馬群を突いた池添に軍配
デイリースポーツ 5月22日(日)20時34分配信
1番人気のシンハライトが樫の女王に輝いた。前後半1000メートルが59秒8-59秒8と、早め平均の完全な“イーブンペース”。その上でレースのラスト3Fも11秒4-11秒5-11秒6と、11秒台がゴールまで続いた
よどみのない締まったペースで、なおかつ瞬発力も必要-レース後に「敗因は距離」と多くの騎手が語っていたように、“ごまかし”の利かない実力、底力がストレートに反映される一戦となった。メンバー最速の上がり3F33秒5をマークした2頭が1、2着。上位2頭の力が抜けていたということだろう。
勝負の分かれ目は直線の進路取りだ。4角手前では2頭が14、15番手で並走。そこから2着馬は大外に持ち出し、勝ち馬は馬群を割る選択をした。それが最後に首差となって表れた。騎乗停止処分が科せられるラフプレーもあったが、1番人気のプレッシャーを背負いながら臆することなく馬群を突いた池添の度胸はさすがだ。
ノーザンファーム生産馬は2年連続の上位独占。『東京2400メートルのクラシック』を目指して生産、育成される同ファームの方針が、今年も実を結んだ
↑(※その情報先に欲しかったわ~~笑)
1着シンハライト=池添騎手「スタートがひと息で、思ったよりも位置取りは後ろになったが、直線は内からよく伸びてくれた。桜花賞の悔しい思いが少しは晴れましたね。ジュエラー、メジャーエンブレムも揃う秋の舞台で強さを改めて証明したい
2番人気チェッキーノ惜しい首差2着/オークス
道中はシンハライトの外で後方待機。4コーナーで大外に持ち出され、直線坂上で前を捉えた瞬間、内から差された。着差はわずかに首。上がり3ハロンは勝ち馬と同じ最速タイの33秒5。あまりに惜しい内容に、初コンビの戸崎騎手は「(走りが)ゆったりしていたし、最後は伸びている。力は出し切ったけど、もう少し前でも良かったかな。そうすれば外を回らなくても良かったし…」と、悔しさを押し殺して冷静に振り返った。
Mデムーロ騎手(ビッシュ=3着)「4角で右にもたれた。この距離でもこなせる馬。勝つチャンスがあると思って早めに仕掛けたが…」
菊沢調教師(ジェラシー=4着)「予定通り後ろからの競馬になったが、最後はしっかり脚を使えていた。よく走ってくれた」
四位騎手(ペプチドサプル=5着)「道中で折り合いがしっかりついていたし、よく頑張ってくれたと思う」
蛯名騎手(フロンテアクイーン=6着)「もう少し落ち着いてくれたら。でも、馬は良くなってきている」
田辺騎手(レッドアヴァンセ=7着)「ゲートもうまくいって、いい形で折り合いもついた。最後は距離が延びたぶんかな」
三浦騎手(ダイワドレッサー=8着)「最後の1ハロンまでよく伸びた。能力はある馬です」
川田騎手(デンコウアンジュ=9着)「直線で勝ち馬にぶつけられてしまいました。それでも、そこからまた伸びています
3番人気のエンジェルフェイスは10着。逃げたダンツペンダントの番手につけてスムーズに運んだが、直線は伸びを欠いて馬群に沈んだ。「とてもいい感じで追走できたが、ラスト250メートルで息が持たなくなった。2400メートルは長いのかも。2000メートルくらいまでなら」とルメール。藤原英師は「予定通りの展開で、一瞬オッと思ったが…。距離だろうね。まだ馬も成長するし秋華賞で面白いんじゃないか」と、早くも秋を見据えていた。
福永騎手(アットザシーサイド=11着)「状態は良かったし、折り合いもついたけど、最後は伸びていかなかった」
吉田豊騎手(アウェイク=12着)「いい枠から内ラチ沿いで馬の後ろで折り合えた。距離が延びたぶん、最後は伸びきれなかった」
Tベリー騎手(ロッテンマイヤー=13着)「リラックスして走れたけど、結果的に距離が長かった
松岡騎手(ウインファビラス=14着)「考えていた通りの競馬はできた。馬体重を戻しながらの調整の影響が、最後は出たかも」
須貝調教師(アドマイヤリード=15着)「道中は勝ち馬の後ろでうまく運べた。騎手(岩田)は『追ってからの反応がなかった』と言っていたし、レース後も息がすぐ入っていた。本気で走っていない」
石橋騎手(フロムマイハート=16着)「前、前で運ぶこの馬の競馬はできた。これからもっと良くなる馬」
柴田大騎手(ゲッカコウ=17着)「いいスタートから、いい位置で運べたけど、最後は距離かな…」
古川騎手(ダンツペンダント=18着)「自分の形で走れたけど、相手が強かったね」
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敗因分析のバイブル~競馬をやって何が悪い。より
2016 オークス(GI) 東京芝2400m良
レース回顧・結果
2:25.0 12.3 - 10.7 - 12.1 - 12.3 - 12.4 - 12.5 - 12.9 - 12.6 - 12.7 - 11.4 - 11.5 - 11.6
59.8-59.8M
L4-3の落差だけは分かっていて、あれ、思ったより緩んでいたんだなというような感じのラップ推移になっている。後半3F勝負は明確だが、L3最速ではあり上位陣が結局TS持続力でL1で抜け出した形になったかなと思う。結果的にはこれでも恐らく実質的にはスローのはずで、中盤が緩んだのが大きい。59.8-25.4-59.8で、前後半はハロン12をギリギリ切っているが、中盤はハロン平均12.7。まあそれでも基礎スピードの幅はもちろん要求されたし緩い流れではなかった。上位3頭は素直に素材で上回っていたとみるべきで、そのうえでシンハライトが上回ったと。
1着シンハライトは3番枠から五分に出てポジション取りをどうするかとみていたが外の各馬がやはり主体的に動いていく、うちの各馬はポジション確定していくので後方からの競馬になってしまったという感じ。ただ道中も動じずに内のスペースをじわっと押し上げながら中団を意識しながら3角に入って行く。3~4角ではまだかなり緩い流れの状態のままでここで中団馬群を割る選択を取り後方で直線。序盤でそこから徐々に外に誘導するが外には出し切れないで中団まで押し上げる。L2でやや強引な進路どりをしたように見えたがそこで進路確保しきると最後はグンと伸びてきた。まあ中弛みがあったし3~4角でちょっとヒヤッとしたとは思うんだけど、全体がそれなりに流れていたから結局そこで削がれていた馬がL2辺りでしんどくなってきたし、そこで進路確保してからはやっぱりTS持続力は桜花賞で見せた通りという競馬になったかなと。3~4角で前が緩めてそこに全体が合わせたこともあって逆に全体の仕掛けがL3になったのも脚を出し切りやすい展開にはなったかなと。あの競馬だと危ういことも多いんだが、今回に限れれば前がダンツペンダントの逃げでペースが落ちてからの判断ができなかったのも楽になった要因だと思う。3~4角であそこまで動かないとミルコなりが動いて勝負に行くし、そこが上手く噛み合ったのはあるかな。ただそれでもTS持続力がないとさせないわけで、やっぱり桜花賞で見せたパフォーマンスは流石だったかなというところ。強かったの一言で、池添もこの馬で1番人気にしっかりと応えられたのは良かったと思うが、結果的に見るとやっぱりチェッキーノは手ごわかったなという感じはあるね。これは秋華賞では逆転される可能性も十分出てきたと思うし、今年の牝馬戦線は面白い。時計的には想定よりちょっと遅いが中盤緩み過ぎたしL1を11.6でまとめているし、まずまずとみていいと思う。
2着チェッキーノは13番枠から五分には出たかなという感じ。そこから様子を窺いつつ中団外目、ややブレーキしながら進めていく。1角でもまだ少し掛かり気味ではあったがそれでも向う正面ではしっかりと折り合って進め中団外でいつでも動ける位置を意識し3角。3~4角で前のビッシュが動いていった中で外の各馬が先に仕掛けその一番外を回す形で後方列で直線に入る。序盤でそこから先に仕掛けた分だけ伸び始めが早くL2の地点ではレッドアヴァンセを捕えて2列目、L1ではもう一伸び来るかと思ったが真ん中からスッと伸びてきたシンハライトに最後は差し込まれ、前に出られてもう一足抵抗はしたものの惜しくも2着に敗れた。う~ん…中弛みの形の中で外から動く好位列を見てからその外を回す形にはなっているので何ともだが、それでも動き出しがそこまで速い印象ではなかったのでこの競馬自体は個人的には良かったと思う。ただ内外離れたことで抜け出したときに目標が無くなったことでふわっとした面はあるかもしれない。最後はシンハライトが内から前に出た時に視界に入ってまた伸びようとしていた感じもあったので、このレベルだと展開の綾だったかもなあというところ。強い競馬をしたのは間違いないし、3~4角での緩みでの動きは良かったにせよL3最速ではあり仕掛け自体は早い流れの中でL1を11.6と落としていない中でもしっかりと脚を使えたのはやはりGI級とみていいと思う。フローラSが結果的にハイレベルではあったと思うし、オークスでも強い競馬はできているので距離自体は2000~2400辺りが良さそうな感じはあるね。ただこの内容だと秋華賞でこそって感じはあるかな。淡々と基礎スピードを要求されつつ仕掛けも早いポテンシャル戦は良さそう。超高速に近い馬場もここで問題なくこなしてきたし、まあ仕掛けが早かったのは素材型のこの馬にとっては良い展開だったとは思うがひとまず強かったのは間違いない所だと思う。TS持続力ではシンハライトと互角レベルにあるはず。ポテンシャル戦ならこちらの方が上に行っても驚けんなと。
3着ビッシュは14番枠から今度はゲートを五分に出て最序盤からじわっとは先行しつつ、無理に下げずに中団より前目に入って行く。道中も中団馬群の前目で進めながらしっかりと折り合ってというミルコの良いところ満載の競馬で3角に入って行く。3角手前ではまだ内目にいたが、緩い流れを感じ取ったかミルコらしい押上げでレースのスイッチを一気に入れる。4角では外から一気に勝負に行く形で好位列から2列目まで押し上げて直線。序盤でその勢いで一気にトップスピードに乗せるがそれでもジリジリ。しかしL1まで終始ジリジリと脚を使ってばてずに踏ん張っての3着となった。これはミルコの超ファインプレーだと思うし、同時に1,2着馬にとっては非常にありがたい仕掛けにもなっている。3~4角ではかなり緩い流れになっていて、正直今回のメンバー構成でミルコが動かなければそのまま直線でのギアチェンジ戦になっていても驚けないぐらい中盤緩んでいたと。その中でビッシュが来るパターンならこれという、チェッキーノより前、チェッキーノより早めに仕掛けてとミルコならではの勝負の出方、そして中弛みが噛み合っての3着善戦とみていいと思う。かなり速めに仕掛けているが直線に入ってのキレではさほど優位に立てていないようにトップスピードの質は恐らく並。それだけに早い段階で前目に行って2400mを活かす競馬になったし、そのうえで勝負に行って4Fの勝負に持ち込めたというのが一番の好走要因かな。ただ素材としてはやはりチェッキーノやシンハライトの方が上だったというところ。
10着エンジェルフェイスは11番枠からまずまずのスタート、内のダンツペンダントを行かせてしっかりと番手でコントロール。ペースそのものは60秒をちょっと切るぐらいでまずまず良いペースで進めるが、3角手前ぐらいからかなり緩んで入る中で、ダンツペンダントをかわいがりながら3角でも仕掛けを待つ。4角で馬なりで並びかけながら直線で先頭。序盤で追いだされるとそこからしぶとく抵抗するが一瞬。L2の上り坂ではビッシュに並びかけられ、L1ではやはり目に見えて甘くなっての10着完敗だった。前半脚を使っても後半一脚を使えるという良い面は見せてくれたけど、やっぱり3角手前から緩めすぎたことで後続に仕掛けの意識を前掛かりにさせたのが敗因かな。まあ敗因というか、この馬の競馬としてはやっぱりもうちょっと後続の仕掛けを誘発させない競馬が欲しかったと思う。息が入ったのは確かでL2まではほぼ先頭列にいたから逆算しても12.7-11.3-11.5-12.2ってところだろう。L3で速いラップを踏まされすぎた感じはあるかな。ただギアチェンジ自体は結構高いレベルで見せてきているし、これをL2の地点で引き出せるように3~4角を落とし過ぎずに競馬ができていたらというところはあったかもしれない。本当に良い脚は短い馬ではあったので、やはり中盤をもうちょっとリスクを背負って緩み過ぎたなら自分でレースを作って行くぐらいの意識は欲しかったかも。もちろん強敵揃いだし、それで勝てたかどうかは別にせよ、この馬としてはやはり後続に早めの仕掛けで脚を出し切らせる形は獲らせたくなかったと思う。ペースも早かったように見えて馬場を考えると中弛みまで入れればゆったりしたペースになってしまっている。そのうえでL3最速にミルコに持ち込まれてしまうとこの馬のTS持続力では対抗できなかった。それでもこのペースで息を入れて楽に引き上げているし、ギアの上げ下げは本当に上手いなあという感じ。今後中距離牝馬重賞路線では注意したいし、どちらかというと秋華賞よりはエリ女の方が怖いと思う。
11着アットザシーサイドは4番枠から好発、どう競馬するかなとみていたがシンハライトの前にはつけたがちょっと下げて後方寄り。そのまま道中も内内で我慢する形で3角に入る。3~4角ではそれでも馬群の中目から積極的にビッシュの動きに呼応する形で進路を取って直線に向かう。序盤でビッシュの直後を突いて伸びかけたのだがL2の坂で伸びあぐね、L1はなだれ込むだけに終わっての11着完敗だった。直線で上手くビッシュの直後から進路を取れたのは良かったが前のビッシュが少しふらついていたのもあると思うし、恐らく上り坂でちょっと甘くなった感じはある。まあ単純に距離が長かった可能性もあると思うが、乗り方自体は個人的にはスムーズだったかなと思う。あまり前に行って後半の良さを削ぐのもあれだし、ただ勝ちを意識するのであれば当然シンハライトより前にいないと話にならない立場。そのバランスの中では良い位置を取ったと思うが結局はTS持続力の差、距離適性は出てしまった感じかな。
(※デンコウアンジュちゃんは左周りのがラスト右手前に変えて伸ばせるらしいよ)
+++++ポイント結果+++++
yahoo!綾恵にストレート発生(追加+100pt)
5月はyahoo!無双月間になってます。
レースタイムが2015年と同タイムだったんでラップ貼っておきますね
2015年ラップタイム
200m | 400m | 600m | 800m | 1000m | 1200m | 1400m | 1600m | 1800m | 2000m | 2200m | 2400m |
12.5 | 10.6 | 12.5 | 13 | 12.7 | 12.6 | 12.5 | 11.9 | 11.9 | 11.3 | 11.6 | 11.9 |
2016年ラップタイム
200m | 400m | 600m | 800m | 1000m | 1200m | 1400m | 1600m | 1800m | 2000m | 2200m | 2400m |
12.3 | 10.7 | 12.1 | 12.3 | 12.4 | 12.5 | 12.9 | 12.6 | 12.7 | 11.4 | 11.5 | 11.6 |
なんか分析っぽいでしょ?
どっちの世代が強いかはわかりかねますがね。笑
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